資源制約・銅から考える20年投資|MLIを長期保有する理由

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AI、データセンター、送電網、空調、住宅設備。デジタル化が進むほど、実は「銅」という物理資源の重要性は下がりません。

私は資源制約を20年投資の重要テーマの一つとして見ています。その中で保有しているのがMueller Industries(MLI)です。

MLIは銅鉱山会社ではありません。銅・真鍮・アルミを使った配管、継手、ロッド、ワイヤー、冷凍空調部品などを製造する加工メーカーです。つまり「銅価格そのもの」ではなく、社会インフラで使われる銅製品の需要を取り込む会社として見ています。

銅・HVAC・住宅・インフラ需要の景気循環を説明する図解
MLIに関わる銅・HVAC・住宅・インフラ需要の循環

資源制約で注目するのは「採掘」だけではない

銅需要が増えると考えても、必ずしも鉱山会社だけを見る必要はありません。

送電、空調、給排水、冷凍冷蔵、通信、医療、航空、自動車など、銅を実際に製品へ加工し、顧客へ届ける企業にも長期需要があります。

MLIはその「中流」に位置する企業です。

Mueller Industriesは何を作っている会社か

2025年Form 10-Kによると、MLIは銅、真鍮、アルミ製品の大手メーカーです。主な製品は銅管、継手、ラインセット、真鍮棒、冷凍空調用部品、高品質ワイヤー・ケーブルなどです。

これらは、空調、給排水、電力、建築、医療、航空、自動車など幅広い市場で使われます。

私がMLIを20年投資候補として見る理由

1.銅を使う最終市場が広い

MLIの強みは、単一用途に依存していないことです。

住宅設備、空調、送電、医療、航空、自動車など複数の需要先を持つため、「銅需要」という一つのテーマを複数市場から取り込めます。

2.価格転嫁力が利益を左右する

MLIは銅価格上昇の影響を強く受けます。

2026年第2四半期のCOMEX銅価格は平均1ポンド6.16ドルで、前年同期比30.6%上昇しました。MLIの同四半期売上高は14.28億ドルで、前年同期の11.38億ドルから25.5%増加しました。

Q2売上高14.28億ドル
売上成長+25.5%
営業利益約3.10億ドル
銅価格+30.6%

ただし売上増の大部分は、銅など原材料価格上昇に伴う販売価格の上昇によるものです。つまり「売上が増えた=数量が大きく伸びた」と単純には判断できません。

※MLIは2026年6月30日付で1株を2株とする株式分割を実施しています。EPSや1株配当を過去と比較する際は、分割調整後の数値で確認します。

3.強いバランスシート

財務余力は2026年Q2時点でも大きく、現金・短期運用資産は約14.2億ドル、流動比率は4.8倍でした。

資源価格や景気の変動が大きい業界では、財務余力があることは重要です。設備投資、買収、配当などを柔軟に行えるからです。

資源価格や景気の変動が大きい業界では、財務余力があることは重要です。設備投資、買収、自社株買い、配当を柔軟に行えるからです。

4.買収で製品領域を広げている

MLIは買収を使って事業領域を拡大しています。2026年にはBisonを取得し、第2四半期に約6,250万ドルの売上を加えました。

一方で、買収が増えるほど統合リスクや資本配分の巧拙も重要になります。

2026年Q2の数字

項目 2026年Q2 前年同期比
売上高 約14.28億ドル +25.5%
営業利益 約3.10億ドル +1.9%
純利益 約2.50億ドル +1.5%
希薄化後EPS 1.13ドル 1.11ドルから増加
COMEX銅平均価格 6.16ドル/ポンド +30.6%

売上は大きく伸びましたが、営業利益の伸びは限定的でした。原材料高による売上膨張と、実際の収益力を分けて見る必要があります。

「銅需要が増える」だけでMLIを買わない理由

銅需要の長期テーマが強くても、MLIには明確なリスクがあります。

  • 銅価格の急変
  • 住宅・建設・空調市場の景気循環
  • プラスチックやアルミへの代替
  • 買収後の統合
  • 販売価格と原材料価格のタイムラグ
  • 高い株価期待

特に同社自身も、配管用途ではプラスチック、空調・冷凍用途ではアルミが代替脅威になり得ると開示しています。

資源制約テーマで見るべき企業の種類

今後はMLIだけでなく、資源制約を複数のレイヤーで見ます。

  • 鉱山・採掘
  • 精錬
  • 加工・部材
  • 送電・電力設備
  • リサイクル
  • 省資源化技術

「銅が足りない」という一言ではなく、どこでボトルネックが生じ、どの企業が利益を残せるかまで分けて考えます。

まとめ|MLIは「銅そのもの」ではなく社会インフラの加工需要を見る銘柄

私がMLIを保有している理由は、銅価格の上昇だけを期待しているからではありません。

空調、給排水、電力、建築、医療など、20年後にも必要とされる物理インフラの部材需要を広く取れることに魅力を感じています。

一方で、銅価格上昇が売上を押し上げるため、数量成長・利益率・キャッシュフローを分けて確認する必要があります。今後も長期テーマと企業価値を切り分けながら追っていきます。

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参考資料

※本記事は筆者自身の投資経験・投資仮説を紹介するものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

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