20年持てる株の選び方|「未来に必要な企業」から逆算する長期投資

「この会社は、20年後の社会でも必要とされているだろうか。」

最近、私は個別株を見るときに、この問いを最初に置くようにしています。次の決算や来年の株価ではなく、20年後の社会から逆算して企業を見る考え方です。

もちろん、実際に20年間まったく売らないという意味ではありません。業績、競争環境、経営陣、株価水準が変われば判断も変わります。ただ、最初の時間軸を長くすると、「今流行している会社」と「長期で社会から必要とされる会社」の違いが見えやすくなります。

20年投資の5つのテーマを示す図解
高齢化・医療、水資源、資源制約、人口減少・自動化、AIインフラという20年投資の5テーマ

20年後から逆算して企業を探す

私が考えている流れはシンプルです。

  1. 20年後の社会を想像する
  2. 避けにくい社会課題を抽出する
  3. その解決に必要な産業を探す
  4. その中で技術・参入障壁・経営陣・競争優位を持つ企業を探す
  5. 最後に株価とバリュエーションを見る

「株価が上がりそうだから」ではなく、「社会がその企業を必要とし続ける理由を説明できるか」から始めるのがポイントです。

20年後の社会避けにくい課題必要な産業競争優位企業最後に株価

なぜ20年という時間軸なのか

20年という期間まで視野を広げると、一時的なテーマよりも人口・医療・資源・インフラなどの構造変化が見えてきます。

国連のWorld Population Prospects 2024では、世界人口は2024年の約82億人から増加し、2080年代半ばに約103億人でピークを迎えるとされています。一方で、すでに人口がピークを迎えた国もあります。

WHOは、世界の60歳以上人口が2020年の約10億人から2050年には約21億人へ増えるとしています。

こうした変化は、1年や2年のブームではありません。だからこそ、長期投資の起点として使いやすいと考えています。

私が注目する5つの長期テーマ

1.高齢化・医療

高齢者が増えれば、医療・診断・手術・介護の需要は簡単にはなくなりません。

私が特に注目するのは、「患者数が増える一方で、医療従事者は無限には増えない」という点です。そこで重要になるのが、医療の質を維持しながら一人あたりの生産性を高める技術です。

私が保有しているIntuitive Surgical(ISRG)も、この長期テーマで見ている企業の一つです。

2.人口減少と省人化

人口減少や人手不足が進む社会では、「人を増やす」以外の解決策が必要になります。

AI、ロボット、物流自動化、工場自動化、業務ソフトウェア、サイバーセキュリティなどは、そのための技術です。

ここで重要なのは「AI企業だから買う」ではなく、少ない人間で社会や企業を維持するために不可欠かを見ることだと考えています。

3.資源制約

AI、データセンター、EV、電力網、ロボット。どれだけデジタル化が進んでも、その裏側には銅、リチウム、ニッケル、レアアースなどの物理資源が必要です。

IEAのGlobal Critical Minerals Outlook 2026では、重要鉱物需要は現在の政策を前提としたシナリオでも2040年までにほぼ倍増し、リチウムは3倍超、ニッケル・黒鉛・レアアースも50〜90%増える見通しです。銅は2040年までに約700万トンの需要増が見込まれています。

私は、AIそのものだけでなく、AI社会を物理的に成立させる企業にも大きな投資機会があると考えています。

4.水資源

水は生活だけでなく、半導体、発電、製造、農業、鉱業など幅広い産業に必要です。

投資対象を考えると、水道会社だけではありません。ポンプ、水処理、漏水検知、工業用水再利用、浄水・淡水化など多くの周辺産業があります。

今後このブログでは、水資源を独立した長期テーマとして詳しく掘り下げます。

5.人間を補完・拡張する技術

AIが人間を完全に置き換えるかではなく、人間一人ができることを増やす企業に注目しています。

医療、インフラ保守、施工、物流、サイバーセキュリティなど、現実世界との接点を持つ分野では、AIだけでは完結しません。デジタル技術とリアルな現場をつなぐ企業は、長期テーマとして面白いと感じています。

20年持てる企業を見る5つの条件

① 20年後にも解決すべき問題が残っているか

製品そのものではなく、その企業が解決している問題が残るかを見ます。

② 市場そのものが成長するか

人口構造、医療需要、資源、電力、インフラなど、長期で需要が増える背景があるかを確認します。

③ 参入障壁が高く、簡単に真似されないか

技術力、巨額の設備投資、規制・認証、顧客基盤、ネットワーク効果、ブランド、乗り換えコストなどによって、新規参入企業が簡単には追いつけないかを見ます。市場が成長していても参入障壁が低ければ競争激化で利益が削られやすいため、「需要が伸びるか」と「その利益を長く取り続けられるか」は分けて考えるようにしています。

④ 利益を再投資できるか

研究開発、設備、人材、M&Aなどへ利益を再投資し、さらに利益を増やせる企業は長期で強いと考えています。

⑤ 株価が期待を織り込みすぎていないか

どれだけ良い会社でも、どんな価格でも良い投資になるわけではありません。私自身、FICOなどを保有する中で「良い会社」と「良い投資」は別だと強く感じています。

中核銘柄とトレンド株は分ける

私はすべての成長株を同じ扱いにはしていません。

中核銘柄は、20年後も必要とされる未来を想像でき、技術・経営陣・競争優位を重視します。短期の株価ではなく、投資仮説が崩れたかどうかで売却を考えます。

一方のトレンド株は、テーマ性や成長性を取りに行く投資です。私の場合は大きく上昇した場面で利益確定することもあります。

MYR Group(MYRG)はその一例で、利益確定後の成長を見て「売るのが早かった」と感じた銘柄です。この経験も、長期投資の考え方を見直すきっかけになりました。詳しくはMYRGを利確して後悔した理由にまとめています。

これからBon投資ブログで調べるテーマ

有名な企業だけでなく、「その産業に実は欠かせない企業」を探していきます。

まとめ|株価ではなく20年後の社会から考える

20年後の株価を予測することはできません。しかし、高齢化、人手不足、資源制約、インフラ更新など、長期で避けにくい社会課題はあります。

私はこれから、「株価が上がりそうな会社」ではなく、「20年後の社会が必要としている会社」という視点を、銘柄選びの中心に置いていきます。

現在は、高齢化・医療、水資源、資源制約・銅、人口減少・自動化、AIインフラの各テーマを個別記事で公開しています。気になるテーマから読み進めてください。

投資実体験から学んだこと

参考にした公式資料

※本記事は筆者自身の投資に対する考え方・投資仮説を紹介するものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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